わたしの個別ケアジャーニー

セロトニン関連遺伝子傾向と食事・腸活データから見つけた:私の気分安定実践体験

Tags: 遺伝子, セロトニン, 食事, 腸活, メンタルケア, 体験談, データ分析, 気分安定

はじめに:気分の波と向き合うために、遺伝子とデータに着目しました

私のメンタルケアジャーニーは、日々の気分の波に悩まされていたことから始まりました。特に理由もなく気分が落ち込んだり、小さなことでイライラしたりすることが続き、仕事の集中力や人間関係にも影響が出ていると感じていました。様々なメンタルケアを試してみましたが、どれも一時的な効果しか得られず、根本的な改善には至らない状況でした。

そんな時、「わたしの個別ケアジャーニー」サイトの存在を知り、遺伝子やデータに基づくメンタルケアという考え方に興味を持ちました。自分自身の生まれ持った傾向を知り、客観的なデータを取ることで、よりパーソナルで効果的なアプローチが見つかるのではないか、そう期待したのです。

私の遺伝子情報と、実践への第一歩

遺伝子検査の結果、私はセロトニンの合成や輸送、分解に関わるいくつかの遺伝子に変異(特定のタイプ)を持っていることが分かりました。専門的なレポートには、これらの遺伝子タイプが気分の安定に関わる可能性が示唆されていました。もちろん、遺伝子だけで全てが決まるわけではないと理解していましたが、自分の気分の波にこの遺伝子傾向が何らかの形で影響しているのかもしれないと考えました。

特に、セロトニンが脳だけでなく腸でも多く作られているという情報を知り、私の気分の波には「食事」や「腸内環境」が大きく関わっているのではないかという仮説を持つようになりました。そこで、この遺伝子傾向を参考にしながら、食事と腸活に焦点を当てたデータ駆動型のメンタルケアを始めることにしました。

具体的な実践:データ収集と試行錯誤

私の実践は、まず現状の把握から始めました。以下のデータを記録することにしました。

  1. 気分の記録: スマートフォンのアプリを使用し、朝、昼、夜の気分を10段階で評価し、その時の状況や感じたことを簡単にメモしました。
  2. 食事の記録: 食べたもの、おおよその量、時間帯を記録しました。特に、セロトニンの材料となるトリプトファンを多く含む食品(乳製品、大豆製品、魚、ナッツなど)や、腸内環境を整える食物繊維・発酵食品の摂取状況を意識して記録しました。
  3. 腸活関連の記録: 排便の頻度や状態、お腹のハリなどを記録しました。
  4. その他の記録: 睡眠時間、運動の有無、ストレスを感じた出来事なども補助的に記録しました。

これらのデータを1ヶ月ほど継続して記録した後、遺伝子検査レポートを参考にしながら、具体的な食事や腸活の改善策を立てました。セロトニン関連遺伝子傾向を持つ人は、体外からのセロトニン前駆体(トリプトファンなど)の摂取や、セロトニン合成に関わる栄養素(ビタミンB6など)のサポート、そしてセロトニンが多く存在する腸内環境のケアが有効かもしれない、と考えたためです。

試した具体的なケアは以下の通りです。

これらの実践を行いながら、引き続き日々のデータ記録を続けました。そして、週に一度、記録したデータを振り返り、特定の食事や行動がその後の気分や腸の調子にどう影響しているかを確認しました。例えば、「この食事を摂った翌日は気分のスコアが高い傾向にあるな」「食物繊維を意識的に摂った日は腸の調子が良く、なんとなく気分も穏やかな気がする」といった仮説検証を繰り返しました。

実践を通じて得られた変化と気づき

このデータ駆動型の食事・腸活実践を数ヶ月続けた結果、いくつかの変化を感じるようになりました。

最も顕著だったのは、以前ほど急激な気分の落ち込みや強いイライラが減り、気分の波が全体的に穏やかになったことです。記録した気分のスコアをグラフにしてみると、以前は見られた大きな上下動が少なくなり、安定している期間が長くなったことが視覚的にも確認できました。

また、データ分析から、私の場合、朝食にトリプトファンと発酵食品を組み合わせることで、午前中の気分が比較的安定しやすい傾向があること、特定の食物繊維源(例:きのこ類)を積極的に摂ることで腸の調子が整い、それが気分にも良い影響を与えている可能性が高いことが見えてきました。逆に、夜遅くに高脂肪・高糖質の食事を摂ると、翌日の気分の落ち込みや倦怠感につながりやすいこともデータから示唆されました。

これらの具体的なデータに基づいた気づきは、「なんとなく調子が良い」という感覚を裏付けるものであり、ケアへのモチベーション維持に繋がりました。自分の身体と心の反応をデータとして捉えることで、漠然とした不調に対して具体的な対策を講じることができるのだと実感しました。

工夫点と今後の展望

この実践で工夫した点は、データ記録を負担に感じないよう、可能な限り手軽なツール(スマートフォンアプリ)を使ったこと、そして完璧を目指さず「だいたい」で記録を続ける柔軟性を持ったことです。また、すぐに効果が出なくても焦らず、長期間でデータの傾向を見るように心がけました。

うまくいかなかったこととしては、最初は食事記録が面倒になり、挫折しそうになった時期がありました。その際は、詳細な記録ではなく、食べたものの写真だけを撮る、簡単なメモだけにするなど、ハードルを下げて継続することを優先しました。また、特定のサプリメントが体質に合わないと感じたこともあり、その際はすぐに使用を中止し、食事からのアプローチを強化するなど柔軟に対応しました。医療的な判断が必要な場合は、専門家に相談することも重要だと改めて感じています。

私の個別ケアジャーニーはまだ続いています。今後は、このセロトニン関連の知見に加えて、睡眠や運動といった他のデータも組み合わせ、より包括的なアプローチを探求していきたいと考えています。

遺伝子やデータは、自分自身の心と体の取り扱い説明書のようなものかもしれません。それらを活用することで、一人ひとりに合った最適なケアの方法が見えてくる可能性があります。もしあなたが気分の波や漠然とした不調に悩んでおり、遺伝子やデータに基づくアプローチに興味があるなら、まずは日々の記録を始めてみることからお勧めします。あなた自身のデータが、個別ケアジャーニーの羅針盤となるかもしれません。