わたしの個別ケアジャーニー

遺伝子検査結果と「結果への反応」データ:客観視から始めた私のメンタルケア実践体験

Tags: 遺伝子検査, メンタルケア, データ記録, 体験談, 自己理解, 客観視, 初心者

遺伝子検査の結果を受け取った時の心模様

私は以前から自分のメンタルについて深く理解したいと考えており、その一歩として遺伝子検査を受けてみることにしました。遺伝子情報が、自分の気質や特定の傾向にどう影響しているのかを知ることで、より具体的なメンタルケアの実践に繋がるのではないかという期待があったためです。

検査結果を受け取った時、正直なところ、様々な感情が湧きました。特定の遺伝子タイプが示唆する傾向を見て、これまでの自分の課題や感じていた困難が腑に落ちる部分がある一方で、「この遺伝子タイプだから、自分はこういう人間なのか」という一種の決めつけや、将来に対する漠然とした不安を感じた側面もあります。特に、いわゆる「ネガティブ」とされる傾向が示されている項目を見た時は、少し落ち込んだり、必要以上に心配したりしてしまいました。

結果への反応をデータで客観視する試み

検査結果そのものの情報量は多かったのですが、それを実際の生活やメンタルケアにどう活かせば良いのか、具体的なイメージが湧きませんでした。また、結果に対する自分の感情的な反応が、果たして客観的な事実に基づいたものなのか、それとも単なる思い込みや不安からくるものなのかを区別することが難しいと感じました。

そこで私は、遺伝子検査の結果を受け取ってからの自分の「結果への反応」自体をデータとして記録し、客観視してみることにしました。これは、結果に一喜一憂するのではなく、自分自身の反応パターンを理解し、そこから冷静に次のステップを考えるための試みでした。

具体的には、以下の項目を日々記録しました。

これらの記録は、特定の感情記録アプリや、簡単なスプレッドシートを用いて行いました。

データ記録と遺伝子情報の参照から見えたこと

数週間分のデータを記録し、改めて遺伝子検査の結果と照らし合わせて分析してみると、いくつかの興味深いパターンが見えてきました。

まず、検査結果を見た直後の不安や落ち込みは、時間の経過とともに自然と落ち着いていくことがデータから確認できました。そして、その後の気分の波は、遺伝子検査の結果そのものよりも、その日の睡眠時間、食事の内容、特定の人間関係での出来事といった、より直接的な日々の行動や環境要因に強く影響されていることがデータから示唆されました。

例えば、セロトニン関連の遺伝子傾向に特定のタイプがあることを知った時、私は「だから自分は気分が不安定になりやすいのか」と落ち込みましたが、日々の記録データを見ると、気分の落ち込みは、特定の栄養素が不足した食事を摂った後や、夜遅くまでデジタルデバイスを見て睡眠時間が短くなった日に顕著に現れる傾向が強いことが分かりました。遺伝子情報が、これらのトリガーに対する私の感受性を説明する可能性はありますが、行動データは、具体的にどのような行動が気分に影響を与えているのかを明確に示してくれたのです。

このデータに基づく客観視は、「遺伝子タイプだから仕方ない」と受け身になるのではなく、「自分の遺伝子傾向を踏まえた上で、具体的にこの行動を変えればメンタルが安定しやすいのかもしれない」という、実践的な視点を持つきっかけとなりました。

実践への最初のステップと学び

この気づきを元に、私はまずデータで強く関連が見られた「睡眠時間の確保」と「特定の食事内容の調整」という小さなステップから実践を始めました。完璧を目指すのではなく、まずはできる範囲で少しずつ変えてみることにしました。

例えば、睡眠時間確保のために、寝る1時間前からはスマートフォンを使わない、特定の時間になったら照明を暖色系に切り替える、といった具体的な行動目標を立て、その実践状況と翌日の気分スコアを記録し続けました。すると、睡眠時間を確保できた日は、遺伝子検査の結果を過度に心配する気持ちも軽減され、全体的な気分スコアも安定する傾向が見られました。

この最初の実践から得られた大きな学びは、「遺伝子情報はあくまで可能性や傾向を示唆するものであり、万能な決定要因ではない」ということです。そして、「自分の実際の行動や、それに対するメンタルの反応をデータとして記録し、客観的に分析すること」が、遺伝子情報を具体的なセルフケアに落とし込むための非常に有効な手段であるということです。

遺伝子検査の結果に一喜一憂するのではなく、それを自分を深く理解するための一つの情報源として捉え、日々のデータと照らし合わせながら、自分に合ったケア方法を試行錯誤していく。この「客観視」と「小さな実践」の繰り返しが、私の個別ケアジャーニーの確かな一歩となったと感じています。

今後の展望とメッセージ

この初期の体験を経て、私は遺伝子検査の結果を感情的に受け止めるだけでなく、冷静なデータ分析の視点を持つことの重要性を学びました。今後は、さらに様々な行動データや環境データを収集し、遺伝子情報との関連性をより深く探りながら、自分にとって最適なメンタルケアの方法を見つけていきたいと考えています。

遺伝子検査の結果を受け取って、「どうすれば良いのだろう」と戸惑っている方もいらっしゃるかもしれません。そのような時は、まず結果に対するご自身の感情や思考、そして日々の具体的な行動や体調をデータとして記録し、客観的に眺めてみることをお勧めします。ご自身の「反応」自体を理解することから、あなただけの個別ケアジャーニーが始まるのではないでしょうか。