わたしの個別ケアジャーニー

特定の遺伝子傾向と発想データから見つけた:私の創造性向上実践体験

Tags: 遺伝子, データ分析, 創造性, 発想力, 実践

創造性に行き詰まりを感じていた日々

ITエンジニアとして働く中で、新しい技術のアイデア出しや問題解決のための発想力は、業務を円滑に進める上で非常に重要であると実感していました。しかし、特定の時期になるとどうにも頭が働かず、良いアイデアが全く浮かばないという状況にしばしば悩まされていました。単なる疲労や知識不足ではない、何か根本的な部分での詰まりを感じていたのです。

メンタルケアを実践する中で、自己理解を深めるアプローチに関心を持ち、特に遺伝子情報と行動データを組み合わせる方法が論理的で興味深いと感じていました。そこで、自身の発想力についても、遺伝子とデータの視点からアプローチできないかと考え、「わたしの個別ケアジャーニー」のコミュニティで情報収集を始めました。

遺伝子情報が示唆する可能性と、発想データの収集開始

以前に行った遺伝子検査の結果を改めて見直したところ、特定の認知機能やドーパミン代謝に関連する可能性が示唆されている遺伝子傾向があることに気づきました。これらの遺伝子傾向が、集中力や発想プロセスに影響を与えうるといった一般的な情報を得て、私の発想の波に関係があるかもしれないという仮説を持つに至りました。ただし、これはあくまで可能性であり、断定的なものではないと理解しています。重要なのは、この情報を出発点として、自身の具体的なデータと照らし合わせることだと考えました。

そこで、約3ヶ月間、発想力に関する自身のデータを収集することにしました。記録したのは主に以下の項目です。

データ収集ツールとしては、スマートフォンのメモアプリや表計算ソフト、そしてウェアラブルデバイスで取得した睡眠・活動量データを活用しました。特別なツールは使わず、既存のもので手軽に続けられる方法を選びました。

データ分析から見えた「私の発想パターン」と実践

収集したデータを分析した結果、いくつかの興味深いパターンが見えてきました。

まず、遺伝子検査で示唆されたドーパミン関連の傾向が、特定の環境や活動と関連している可能性がデータから読み取れました。私のデータでは、特に「少し退屈を感じている時」や「繰り返しの作業をしている最中」、「静かすぎない適度な雑音のある環境(例:カフェ)」で、予期せず新しいアイデアが浮かびやすい傾向が見られたのです。これは、ドーパミンシステムが新しい刺激や変化に反応しやすいという一般的な知見と結びつけて解釈できる可能性があり、遺伝子傾向が私の具体的な行動パターンに影響している一つの側面かもしれません。

また、睡眠時間が7時間未満の日や、デスクに座りっぱなしで体を動かさなかった日は、明らかにアイデアが出にくいというデータが得られました。逆に、十分な睡眠を取り、軽い運動(散歩など)を行った日は、比較的スムーズに発想できる傾向がありました。

これらのデータ分析結果と遺伝子情報の示唆を基に、以下のような具体的な実践を試みました。

  1. 「少し退屈な時間」の意図的な創出: 作業が一段落した後、すぐに次のタスクに移らず、あえて数分間ぼーっとする、あるいは簡単なルーチンワークを行う時間を取り入れました。
  2. 「歩きながら考える」習慣化: アイデア出しが必要な時には、会議室ではなく公園を散歩しながら考える時間を持つようにしました。
  3. 睡眠と運動の徹底: 質の高い睡眠を確保し、毎日短い時間でも良いので体を動かすことを意識しました。これはメンタルケア全般にも良い影響を与えるため、継続しやすかったです。
  4. 思考プロセスの記録: アイデアが出た瞬間の思考をすぐにメモする習慣をつけ、後で見返してパターンを分析しました。

最初から全てがうまくいったわけではありません。無理に「退屈な時間」を作ろうとして逆に焦りを感じたり、天候が悪く散歩ができない日に代替策が見つからなかったりといった小さな失敗もありました。しかし、データ記録は継続していたため、うまくいかなかった状況も分析し、アプローチを修正することができました。例えば、散歩が難しい日は、窓の外を眺める時間を増やしたり、BGMの種類を変えてみたりといった代替策をデータを見ながら試しました。

実践を通して得られた変化と気づき

これらの実践を続けるうちに、明らかに発想の頻度と質が向上したと感じています。以前のように全くアイデアが浮かばないという状態に陥ることが減り、たとえ行き詰まっても、データから見出した自分のパターンを参考に、意図的に環境や行動を変えることで突破口を見つけられるようになりました。

最も大きな気づきは、「発想力は、単に頭の中で考えるだけでなく、身体の状態や周囲の環境、そして自身の生物学的な傾向(遺伝子)が複合的に影響するものであり、データに基づくアプローチで改善できる」ということです。遺伝子情報は、あくまで自分自身の傾向を知るための一つの手がかりであり、それだけを見て判断するのではなく、具体的な行動データと組み合わせて検証することの重要性を強く認識しました。

また、データ収集と分析のプロセス自体が、自身の思考パターンを客観視し、冷静に捉える手助けとなりました。これは、ITエンジニアという仕事柄、論理的に物事を考える習慣があったことも幸いしたかもしれません。

今後の展望と読者へのメッセージ

今回、遺伝子情報と発想に関するデータを組み合わせることで、私の創造性向上に繋がる具体的な実践方法を見つけることができました。今後は、さらに詳細なデータ(特定の栄養素の摂取量と発想の関係など)を収集・分析し、このアプローチを深掘りしていきたいと考えています。

私の体験は、遺伝子・データに基づくメンタルケアが、気分の安定といった領域だけでなく、自身の能力やパフォーマンス向上といった側面にも応用できる可能性を示していると考えています。特に、抽象的で掴みどころがないと感じられがちな「発想力」や「創造性」といったテーマに対しても、遺伝子情報と具体的な行動データに基づく分析は、実践への明確な一歩を与えてくれる可能性があります。

もし、あなたが自身の思考力や発想力に課題を感じており、遺伝子やデータに基づくアプローチに興味があるなら、まずは自身の「発想が生まれた瞬間」や「行き詰まった状況」を具体的に記録することから始めてみてはいかがでしょうか。その小さなデータの一つ一つが、あなたの「個別ケアジャーニー」における貴重なヒントとなるかもしれません。