わたしの個別ケアジャーニー

概日リズム関連遺伝子情報と光環境・気分データ:私が行ったメンタル安定のための光環境調整実践体験

Tags: 遺伝子, データ分析, メンタルケア, 概日リズム, 光環境, 体験談

遺伝子・データに基づくメンタルケア実践体験談:概日リズムと光環境の調整

なぜ遺伝子・データに基づいたメンタルケアに光環境調整を取り入れたのか

私は以前から、日によって気分の波があったり、集中力が続かなかったりすることに悩んでいました。特に季節の変わり目や、日照時間が短い時期には、その傾向が顕著になるように感じていました。一般的な気分転換や休息では根本的な改善が見られないため、何か他に原因があるのではないかと考えていた時期です。

そんな中、「わたしの個別ケアジャーニー」サイトを通じて、遺伝子情報や行動データを活用したメンタルケアがあることを知りました。漠然とした不調に対して、自分の体の特徴や生活習慣を客観的なデータから理解し、具体的な対策に繋げられる可能性に魅力を感じました。

特に私が注目したのは、概日リズムに関わる遺伝子情報と、それが日々の気分の波や集中力の変動にどう影響しているかという点です。概日リズムは、私たちの体内時計が司る約24時間周期の生理的なリズムであり、睡眠・覚醒だけでなく、ホルモン分泌や気分、認知機能にも影響を及ぼすことが知られています。そして、この概日リズムは、光を含む外部環境からの情報に大きく影響を受けるという情報も得ました。自身の遺伝子検査の結果で、概日リズム関連遺伝子に特定のタイプ傾向が見られたことが、光環境とメンタルケアを結びつけて考えるきっかけとなりました。

概日リズム関連遺伝子情報とデータの収集

まず、手元にあった遺伝子検査の結果を確認しました。そこには、PERやCRYといった概日リズムに関わる遺伝子群に、私があるタイプ(例えば、一般的に「夜型」傾向が示唆されるタイプなど)であることが示唆されていました。この情報だけでは具体的な行動には繋がりませんでしたが、「自分の体内時計が外部環境、特に光にどのように反応しやすいか」という視点を持つことができるようになりました。

次に、この遺伝子情報を念頭に置きながら、自身の気分、集中力、睡眠パターンに加え、「光環境」に関するデータの収集を開始しました。使用したのは、市販の気分・睡眠記録アプリと、簡単なスプレッドシートです。

これらのデータを数週間記録することで、遺伝子情報から示唆された傾向と、実際の生活パターン、そして気分の波や集中力のムラとの間に、何らかの関連性が見え始めるのではないかと考えました。

具体的な光環境調整の実践

収集したデータと遺伝子情報を踏まえ、私はいくつかの仮説を立てました。例えば、私の概日リズム関連遺伝子の傾向が「光刺激に対してやや敏感で、体内時計がリセットされにくい可能性」を示唆していると解釈した場合、朝の光を効果的に取り入れることが重要になるのではないか、夜間の不適切な光(特にブルーライト)が睡眠の質や翌日の気分に悪影響を与えているのではないか、といった仮説です。

これらの仮説に基づき、段階的に以下の光環境調整を実践しました。

  1. 朝の光浴: 起床後30分以内に、可能であれば15分程度、窓際やベランダで太陽の光を浴びるように心がけました。曇りの日でも、屋外の光は屋内の照明より概日リズムへの影響が大きいと知ったからです。
  2. 日中の環境: 日中はできるだけ自然光が入る場所で作業するか、定期的に外に出て短い散歩を取り入れました。
  3. 夜間の照明調整: 夕食後からは、部屋の照明を少し暗めにし、暖色系の明かりを選ぶようにしました。明るい白色光は、体内時計を遅らせる効果があると考えたからです。
  4. 就寝前のブルーライト対策: 就寝時刻の1時間前からは、スマートフォンやPCの使用を避けるか、ナイトモード機能を活用し、ブルーライトカットメガネを着用するようにしました。

これらの実践は、一度に全てを完璧に行うのではなく、まずは朝の光浴から始め、慣れてきたら夜間の照明調整を取り入れるなど、無理のない範囲で少しずつ試していきました。

実践の結果と変化

光環境調整を継続した結果、約1ヶ月後から少しずつ変化が現れ始めました。

まず、毎日の気分記録の波が穏やかになったように感じました。極端に気分が落ち込む日が減り、日中の安定した時間が増えました。また、集中力に関しても、午後の時間帯のパフォーマンスが向上し、以前より長い時間集中を持続できるようになりました。

睡眠ログを見ると、入眠までの時間が短くなり、夜中に目が覚める回数も減少し、睡眠の質が向上したことが示唆されました。日中の眠気も軽減され、活動的な時間が増えたことは、気分や集中力にも良い影響を与えていると感じました。

これらの感覚的な変化は、収集していたデータによってもある程度裏付けられました。例えば、気分スコアの標準偏差(ばらつき)が小さくなったり、集中力を持続できた時間を示すログが増加したりといった傾向が見られました。データは単なる記録ではなく、自分の実践の効果を客観的に示すツールとして非常に役立ちました。

工夫点や乗り越えた課題

実践を続ける上で最も難しかったのは、データ収集を習慣化することでした。日々の忙しさの中で記録を忘れてしまうこともありましたが、「このデータが自分の体調改善のヒントになる」という目的意識を持つことで乗り越えられました。また、記録項目を最小限に絞り、手軽に入力できるアプリを活用するなどの工夫も有効でした。

光環境調整に関しても、仕事の状況や天候によっては、朝の光浴が難しかったり、夜間も明るい照明が必要になったりすることがありました。完璧を目指すのではなく、「できる範囲で継続する」という柔軟な姿勢を持つことが大切だと学びました。うまくいかなかった日があっても、次の日からまた始めれば良い、と考えることで、精神的な負担を減らすことができました。

遺伝子情報やデータの解釈についても、最初は戸惑うことがありました。しかし、信頼できる情報源を参照したり、このコミュニティサイトで他の実践者の体験談を参考にしたりすることで、少しずつ理解を深めることができました。

今後の展望と読者へのメッセージ

今回の概日リズム関連遺伝子情報と光環境・気分データに基づく実践は、私のメンタル安定に具体的な変化をもたらしてくれました。自分の体の設計図とも言える遺伝子情報と、日々の行動や状態を示すデータを掛け合わせることで、自分に合ったケア方法を見つけることができる、という手応えを感じています。

今後は、他の遺伝子情報(例えば、栄養代謝や神経伝達物質に関わるもの)と、さらに詳細な行動データ(食事内容、運動の種類や時間など)を組み合わせて、より多角的な視点から自身のメンタルケアを探求していきたいと考えています。

もしあなたが、漠然としたメンタルの不調に悩んでいたり、遺伝子情報やデータがあるものの、それをどう具体的なケアに活かせば良いか分からないと感じていたりするなら、まずは一つの側面に焦点を当てて、小さなデータ収集と実践から始めてみることをお勧めします。私のような初心者の体験談でも、何かヒントになることがあるかもしれません。この「わたしの個別ケアジャーニー」で、多くの実践者の知見が共有され、お互いのケアジャーニーをサポートし合えることを願っております。

個人の体験談として、ここに記した内容が全ての方に当てはまるわけではありません。ご自身の健康状態については、必ず専門家にご相談ください。